2022年3月30日
車椅子専用のウェディングドレスブランドを立ち上げた、オーダーメイド工房
宮澤 久美さん
宮澤久美さんが2015年に設立した「Mトワル」。デザインやパターン、縫製を一人で行い、一人一人にあった服を作る、オーダーメイド工房です。
ただ、一般的なオーダーメイドと一線を画すのは、「障がいとファッション」に目を向け、障がいを持った人でも心地よく着られる服やドレスを作る、ということ。
自身の家族の脊髄小脳変性症の進行があったことから、「着やすい服とは何か。楽しめて自分らしくいられる服の力とは何かを問い続けた」という宮澤さん。そして2017年、本格的に障がい者・車椅子ユーザーへ向けてリメイクやオーダーを数多く引き受けるようになりました。
さらに、車椅子ユーザー女性との出会いを機に、障がい者のブライダルについても考え始めたことから、車椅子専用ウェディングドレスブランドW2-Dressを立ち上げるに至りました。
居住地である逗子での会社運営は、インターネットを利用したオーダーメイドの受注生産であるため、場所を問わず行えるのだとか。
宮澤さんにとって逗子の魅力は「自分らしくいられる空気感」だと言います。「三浦半島や横浜東京、箱根や伊豆半島など、仕事&観光の場所にアクセスが良い立地。食べ物もおいしいです。東京在住の知人たちが続々と逗子へ移住してきたことも、最近の嬉しい出来事でした」。
すでに逗子市で、障がい者をモデルに三度のファッションショーを行うなど、活動の幅を広げている宮澤さん。 「海と山がある穏やかでゆるやかな逗子に、イベントを機に人が集まり、気にいれば住んでくれる。クリエイターが集まり、何か事が起きる。それを見て、また誰かが暮らしを求めてやってくる。子供が大きくなり、戻ってくる。そこに、障害があっても高齢でも大人でも子供でも認知症でもまざり合う、当たり前の風景が、海風とともに存在していたら最高だと思います」。彼女の羽ばたきは、今後ももっと多くもあらゆる人を羽ばたかせてくれます。