
2025年9月1日
老舗薬局を営む実家でお茶に親しんだ経験と、薬剤師の知識で開発したオリジナル”健康茶”
藤堂麻紀さん
薬剤師の資格や経験を活かしてオリジナル健康茶を製造し、逗子の古民家の一室で販売する「逗子彩香堂」の藤堂麻紀さん。
藤堂さんの実家は、小田原で創業350年以上の老舗薬局でした。そのため幼少期から、屋内では薬研や上皿天秤などの理科室にあるような道具に、庭では南天や梅、柘榴など民間療法の植物に囲まれていました。「祖父母が体調に合わせてドクダミを煎じたり、お茶に梅干しを足したりすることが当たり前の光景でした」と藤堂さん。
その後薬剤師になり、医療に携わりながらも祖父母のように普段飲むお茶で手軽に健康維持できたらと思い、オリジナルのお茶を開発・製造販売を始めたといいます。


小田原出身の藤堂さんにとって、逗子の魅力は「歴史・伝統を大事にしつつも新しいもの・人も受け入れるところ」だそう。「海辺で穏やかな気候に恵まれていることや、個人店や商店街が元気で街に活気がある逗子が、主人とともに気に入って15年位前に転居してきました。地方や都心では商店街=シャッター街か大手チェーン展開の店ばかりでどこに行っても同じ景色になりがちですが、逗子は長年愛されているお店から新店舗まで個人店が多く多彩です」と藤堂さんは言います。
都会過ぎない(田舎過ぎない)小さな街だからこそ、個々人が自分らしく生活していて、皆が活躍して光っている。そして様々な人が繋がって、それが街の魅力を更に引き出していることが、藤堂さんが逗子で健康茶を広げている所以でもあります。
そんな藤堂さんも、健康茶のレシピ開発の際には、何十回と試作・試飲を繰り返し、うまくできるのか不安になり思い悩んで眠れない日もあったといいます。そんな日々を支えたのもまた、自身のオリジナルブレンドの健康茶の存在でした。「眠りに注目したお茶の試飲をしていた期間は、思い悩むどころか、不思議と夜はぐっすり眠っていました。後から試飲に協力してもらった家族全員にも聞いてみると、皆同様にぐっすり眠れたと」。その時、“このお茶は商品にしても良いのでは”と思えたことが、道が開けた瞬間でもあったそうです。
藤堂さんの作るオリジナルブレンド健康茶は、薬剤師ならではの知識を活かした“効く”お茶でありながらも、飲みやすさにも気を配った、毎日飲める味。「逗子彩香堂」のお茶は、柔らかな雰囲気で優しさを持つ藤堂さんのお人柄そのものを表しているように思いました。
